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UPDATE|2022/03/11

「エゴサしたらひどい書き込みばかりだった」梅田彩佳が語る、アイドル卒業後に女優として生き残る厳しさ

梅田彩佳 撮影/荻原大志

2016年にNMB48を卒業した梅田彩佳。卒業後はミュージカルを中心に女優として活躍する傍ら、高校のパフォーマンス演習担当講師を務めるなど高いパフォーマンス力を活かして活動している。2月14日には2nd写真集『Etude』(ワニブックス)を発売した彼女に、今作での挑戦と卒業後の葛藤を聞いた。(前後編の後編)

>>前編はこちら

【写真】撮影中も笑顔が絶えない、梅田彩佳の撮りおろしカット【10点】

──現在梅田さんが主戦場として活躍しているミュージカルの世界では、アイドル時代と違ってファンの見る目も厳しいと思います。

梅田 30歳で初めて立った帝国劇場が私にとって大きなターニングポイントでした。初日が終わってから、ついついエゴサしたら、こんなにイジメられるのかというくらい、ひどい書き込みばかりでした。これが人に見られるということなんだと痛感して、帰りの地下鉄でボロ泣きです。寒い2月の夜でした。心が折れて、家に帰る気力すらありません。すがる思いで友達に電話したら、「あんたね、これから2カ月も舞台は続くんだからね。これは仕事なんだから、やるしかないんだよ」と言われて、ハッとしました。確かに仕事を放りだすわけにはいかないし、悔しい気持ちのまま終わりたくもない。悪口を書いた人に、千秋楽までには「あの部分だけはよかった」とせめて言わせてやろう。そう心を入れ替えました。それからはエゴサもしなくなりましたね。アイドル時代はあんなにたくさんしていたのに(笑)。

──ミュージカルはできているのが当たり前の世界ですからね。

梅田 そうなんです。私が稽古を死に物狂いで取り組んだとしても、ベテランの女優さんは基礎がしっかりしていらっしゃるし、稽古期間の過ごし方も私とは違いました。自分の苦手な部分と向き合わないといけません。それはとても苦しい作業です。でも、やらないと生き残れない。よりボイトレに力を入れるようになりました。まだまだ下手なんですけどね。

──それでも、アイドル時代の経験が活きていることもあるんじゃないですか?

梅田 それは見せ方かもしれません。舞台監督さんに「アイドルだったから、やっぱり見せ方が上手いね」と褒められたことがありました。「アイドルだった」というのは、マイナスの意味で使われることもあるんですけど、アイドルの経験にちゃんと意味はあるんだなって思いました。劇場公演は620回くらい立ってきましたから(笑)。

CREDIT

取材・文/犬飼華 撮影/荻原大志


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