「スタッフさんから『次の新潟大会のポスターは上谷選手が大きく載っているんですよ』と見せていただいたんですけど、そのポスターに書かれた会場名を見て『あれっ、私、なにかでここに来ている』って。スターダムでははじめて試合をする会場なので、プロレス以外なんですよ。それで検索してみたら、すぐにわかったんです。この会場、私がNGT48のオーディションを受けにきたところだ!って」
バイトAKBの活動を終えたあと、上谷はちょうどそのタイミングで立ちあがった新潟を本拠地とするNGT48への加入を目指してオーディションに応募。5850人もの応募者の中から、上谷は74人しか残れない最終審査まで勝ち残り、ファイナルジャッジが下される最終審査が行われたのは2015年7月25日、アオーレ長岡でのことだった。
「もう、本当にすべてを賭けていたんです。ちょうど大学進学のタイミングだったんですけど、進学の道を諦めて、NGT48のオーディション1本に絞りました。だから、本当の意味で人生を賭けていたんですよね。オーディションにむけて、めちゃくちゃダイエットもがんばって。自信ですか? なんか、根拠のない自信だけはありましたね、アハハハ」
とはいえ、少なからず手応えを感じずにはいられないシチュエーションだった。
オーディションに先立って行われた48グループのドラフト会議では、バイトAKBの仲間が2人も指名されていた(上谷はドラフトにエントリーしていなかったので指名されず)。さらにバイトAKBからもNGT48のオーディションを受けるメンバーが複数人おり、実際、そこから2名が合格している。上谷沙弥がその流れに乗っていたとしても、けっして不思議ではなかったのだ。(後編へ続く)
【後編はこちら】スターダム・上谷沙弥が涙で向き合った人生最大の黒歴史、変えるのは過去ではなく未来