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UPDATE|2022/02/18

レジェンドが語るコスプレ文化の30年「当時はほぼすっぴん。自宅の住所を教えるのも普通でした」

『FateGrand Order』宮本武蔵。武器は自作(2021年スタジオにて撮影)


目に見えるもの以外にも、変わってきている部分があるとはるさんは推測する。

「私の主観だと『この衣装がかわいいからコスプレしてみたい』って方も増えた気がします。コスプレは自由なので各々の思いがあっていいと思うんですが、一緒に撮影するとなると自分と同じ感覚の方との方が楽しめるかなと思います。昔は、『このキャラが好きでこの作品を語りたいから」という、みんな近い思いだったので」

だが、色んな感性が増えたということは、コスプレに興味を持つ人が増えたということ。実際にコスプレが受け入れられる趣味になりつつあると実感しているという。

「コスプレに寛容な方も増えたので、いろんな場所で撮影許可をいただけてありがたいです。コスプレしているとご年配の方やちっちゃい子が話しかけてくれるんですけど、みんな優しくて。受け入れられる趣味になったんだなって感慨深いです。前は白い目で見られていたと思うんですよ。『なんか奇抜な格好の人がいる!?』みたいな」

「福岡の『かしいかえん シルバニアガーデン』という遊園地のイベントで『呪術廻戦』のコスプレをやった時には、小さい子たちが『呪術廻戦だ! 呪術廻戦だー!』って寄ってきてくれたんです。それを見ていたお母さんから『写真いいですか?』って聞かれたので、私が『お好きなんですか?』って質問したら、『実は私が好きなんです』ってお母さんと一緒に撮ったりとか(笑)」

受け入れられるようになってきた理由の一つとして、アニメやマンガを好意的に取り上げてくれるタレントの存在も大きい。

「ここ3、4年ぐらいですかね。叶姉妹さんだったり、アイドルの子だったり芸能人の方がコスプレするようになりましたよね。あとは、キスマイ(Kis-My-Ft2)の宮田(俊哉)君とかオタクな一面をメディアに出す方が増えたおかげで、オタクに対する印象自体も変わってきた感じがします。優しい世界になったなあって思っています」

コスプレが受け入れられる土壌が出来上がっている一方で、コスプレをする際にはマナーに気を配る必要もある。近年多いのは撮影場所に関するトラブルなんだとか。

『よく撮影場所に許可を取ったのかとツッコミをいただくことがあるんです。。だからSNSにアップする時には、念のために『撮影許可済み』って入れるようにしています(笑)。やっぱり注目される趣味になったので、気を付けることも増えたと思います。その作品に対するイメージも悪くなることもあると思うので細かいことにも気を配っていますね。マナーを守って楽しく誠実にコスプレしていけたらいいなと思います』

20年ほどでメイクや撮影、同人作品やイベント、偏見やマナーに至るまでさまざまな部分で変化してきたコスプレ文化。しかし、はるさん曰く「好きなキャラクターをコスプレする気持ちは今も昔も変わらない」という。

いろいろなことが変わっても、作品を敬愛する気持ちは大切に。コスプレをより楽しむためにルールは守る。これからもコスプレ文化が末永く続いていくことを願いたい。

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AUTHOR

鳥羽 竜世


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