卒業セレモニーで、新内は『太陽ノック』を選曲してセンターで踊った。その隣には、新内に替わって最年長となる秋元真夏と、新内を敬愛する”新内組”の佐藤楓がいた。そして、フロントに配置された吉田綾乃クリスティーと弓木奈於が前に出る。2人は3期と4期の最年長メンバーだった(4期の田村真佑は弓木と同学年だがイベントを欠席)。
深川から受け取ったのは「最年長のバトン」であり、「優しさのバトン」だったのだ。今イベントで『ハルジオンが咲く頃』をWセンターで歌った梅澤美波、『乃木坂46のオールナイトニッポン』のMCを引き継いだ久保史緒里にも、新内は優しさを与えていた。
21年2月に公開されたドキュメンタリー『僕たちは居場所を探して』(Hulu)で、久保と梅澤美波にとって、新内の存在が支えになっていたことが明かされる。
新内は同じ“お姉さん”ポジションだった梅澤に対して「分かりやすく泣ける子って分かりやすく人が集まってくれるけど、押し殺している人には(周りの人が)気づいてあげられない」と、その葛藤から救おうとしていた。「褒められたことを素直に受け止めて自信に繋げればいいんじゃない」と言っても「自信が無い」と言う久保には、「自分が食べたいものを食べなさい」自分で選択することを勧めた。
卒業セレモニーのアンコールで、新内への想いを綴った手紙を読んだ梅澤は「副キャプテンの発表がある前に、心配して焼き鳥に連れて行ってくれたことも、悩んでいるとすぐに察して隣に来てくれることも、会うたびに抱きつくのが日課になった毎日も、してもらってばかりで私は何も返せなかったけど、これから返させてください」「たくさんの優しさを、本当にありがとうございました」と話した。
深川から新内に渡された「優しさのバトン」は、3期生、4期生、そして、加入が発表されたばかりの5期生に繋がっていくことだろう。
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