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UPDATE|2022/01/14

元モーニング娘。鞘師里保の空白の5年間「たぶん誰よりもアイドルを“演じていた”気がする」

鞘師里保 撮影/荻原大志



──長いトンネルを抜け出したことで、前に進む覚悟ができた?

鞘師 自分の中で一番大きかったのは、こうした自分との向き合い方の部分でしたから。そこが一段落して、気持ちに余裕ができたことで、ようやく少し先が見えてきたんです。そこでようやく心に浮かんだのが、「やっぱり私は歌いたいし、踊りたい」というシンプルな気持ちでした。

──ファンの人はもちろんですが、鞘師さん自身もその気持ちが湧き出ることを待っていたわけですからね。

鞘師 そうなんですよ。だけどその頃の私は芸能界から完全に離れて生活していたものだから、具体的に何をどうすればいいのかがわからなくて(苦笑)。で、本当にここはラッキーだったんですけど、ちょうどそのタイミングで「一緒にやりませんか?」とか「ゲストとしてステージに立ってくれませんか?」みたいなお声掛けいただく機会が重なったんですよね。

──古巣・ハロプロの「ひなフェス」にゲスト出演したのが2019年3月のことでした。

鞘師 あのひなフェスにしても、もう少しでも早いタイミングでオファーいただいていたら絶対にお断りしていました。あのタイミングだから、よかったんです。正直言うと、最初にひなフェスのお話をいただいたときも悩んだんですよ。だけどそこで「あれ? 私、悩めるところまで復活できたんだ」という驚きがあったんですね。ちょっと前の自分だったら悩むことすらなく、「絶対に無理です!」って入口段階でシャットダウンしていたはずですから。

──鞘師さんがひなフェスに登場したときは、地鳴りのような大歓声が起こりましたよね。「緊張して震える」と発言していましたが。

鞘師 めちゃくちゃ緊張はしましたね。それと同時に実感したのが、「私、ここにいると居心地がいいな」ということだったんです。なんだかすごくフィットした感覚があって。パズルの空いたピースに、自分自身がピタッとハマったような気持ちでした(笑)。

──あの幕張のステージが転機になった部分も大きかった?

鞘師 「この気持ちになれるんだったら、いけるかも」という手応えみたいなものがありました。それまでの悩みを「完全に払拭できた」とは言えないまでも、「払拭できかけている自分に気づいた」のが幕張でした。

>>後編はこちら

(取材・文/小野田衛)

▽鞘師里保(さやし・りほ)
1998年5月28日生まれ、広島県出身。モーニング娘。の“絶対的エース”として2015年12月までグループを牽引。ダンス留学を経て2020年9月より芸能活動を再開し、女優や歌手としての活動を本格化させている。
Instagram:riho_sayashi_insta
スタッフTwitter:@sayashi_staff
YouTube(https://www.youtube.com/channel/UCz7dJX1Q68hzLaRjCoTEesA)
CREDIT

取材・文/小野田衛 撮影/荻原大志


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