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UPDATE|2021/12/30

“コロナの女王”岡田晴恵がオミクロン株対応に警鐘を鳴らす「緊急事態宣言が出てから慌てても遅い」

岡田晴恵 撮影/松山勇樹

コロナ禍において、連日多くの報道番組などで新型ウイルスについて解説してきた、白鷗大学教授で感染症専門家の“コロナの女王”岡田晴恵。ここ約2年の奮闘について綴った著書『秘闘―私の「コロナ戦争」全記録―』(新潮社)が12月22日に発売された。「この本を書くには勇気がいりました、覚悟も必要でした」と語る彼女に、改めて今伝えたいことを聞いた(前中後編の後編)。

【前編はこちら】“コロナの女王”岡田晴恵が語る感染症専門家になった理由「非常にミステリアスな学問」

【中編はこちら】“コロナの女王”岡田晴恵が叩かれるリスク冒してまでテレビに出続けた理由「対策を提言する必要性があった」

【写真】約2年の奮闘を本にした“コロナの女王”岡田晴恵

──『秘闘 私の「コロナ戦争」全記録』、400ページ弱に渡る力作で大変な読み応えがありました。書くのも大変だったのでは?

岡田 もともと私は感染研で役人をやっていたこともあり、普段から「どんなことがあったか」「誰と何を話したか」といったことをすべて記録しているんですね。役所というのは記録を残すところですから。新型コロナウイルスの発生を私が最初に知ったのは、ちょうど2年前のクリスマスイブ。そこから私がつけたメモは、気づいたら膨大な量になっていました。

70万字あったメモの一部が今回の「秘闘」です。今回の本はその記録をベースにしているので、結果として相当なページ数になったわけです。編集者の方からは、当初、これじゃあ1000ページ超えてしまう。そこまで厚い本はなかなか読んでくれないので要点を絞って短くしましょうと言われました。

──記述が非常に詳細なのは、そういった理由があったのですか。

岡田 とはいえメモがあるから執筆作業が楽だったかと言えば、そんなこともなくて。担当編集者と一緒に作業しながら、何度も新潮社に通っては原稿を書き、改稿を重ねました。新潮社で何日も朝を迎え、ヘロヘロのまま作業し、お昼は新潮社の社食で定食をいただいていました。担当の方がおごってくれました。

そんな状況でも限界突破で早くに出したかった。この本も通常の進行だったら、2022年の春頃に出すのが普通のタイムスケジュールなんです。だけど私は何がなんでもこの12月に出版したかった。だから急ピッチで作業を進めたんです。担当編集者の方々も大変だったと思います。著者が出版時期を決めちゃっていて、それが無理無理のスケジュールでしたから。担当編集者の方にはすみません、苦労かけました。

──なぜ12月に出す必要があったんでしょうか?

AUTHOR

小野田 衛


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