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UPDATE|2015/05/01

本人からの逆サプライズも! 武藤彩未・渋谷公会堂単独公演『BIRTH』ライブレポート後編

武藤彩未は、洗練されたステージングとキュートなヴィジュアル、そして何よりも圧倒的な歌の力でファンの心を掴む。グループを離れ、歌手としての道を歩むアイドルは少なくないが、10代のうちに渋谷公会堂にソロで立てる子が何人いるだろうか。


武藤彩未、自己ベストを更新! 渋谷公会堂単独公演『BIRTH』ライブレポート前編


 そのままライブの定番曲『RUN RUN RUN』を繰り出し、会場のボルテージを一気に上げる。観客と軽やかにタオルをくるくると回し、間髪開けずに『パラレルワールド』へ繋ぐ。アルバム『I-POP』のリードトラックだが、会場が温まったところで投下したこともあり、年末の赤坂BLITZ公演で聴いた時とはまた違った魅力を感じさせてくれた。今後、彼女のライブで鍵となる楽曲になるだろう。ここでも色とりどりのレーザービームが繰り出されたが、ゴテゴテした満腹感は無い。計算しつくされたその演出に、観客も感動するばかりだ。

 いつも10代らしからぬ妖艶な表情で魅せてくれるナンバー『A.Y.M』では、歌詞を飛ばしてしまうというハプニングも。ただそのあまりの完成度の高さに、感極まって泣いてしまったのか? と、その場では全くミスが気にならなかった。本人がインタビューにて「ファンと一緒に作り上げていきたい楽曲」だと話していた『交信曲第1番変ロ長調』、そして今後の定番になりそうなロックナンバー『OWARI WA HAJIMARI』で本編を締めくくった。
 



 「みなさん、19歳の私と19回ジャンプしてくれますか?」という煽りで会場を揺らし、ここで本編が終了……と思いきや、「ああー! 悔しい! (A.Y.Mで)歌詞が突然出てこなくなったんですよ」と叫ぶ。ファンからの「もう一回!」のコールを受け、「バンドのみなさん、私のわがまま聞いてもらえますか?」と、舞台裏にはけていたバンドメンバーを呼び戻し、『A.Y.M』をもう一度披露することに。

 ストイックな性格で、失敗や苦労を表に見せない彼女の可愛らしい一面に、またやられてしまった。いつも優等生として成熟したステージを見せ、隙が無い事が唯一”アイドルらしくない”武藤だったが、なんともアイドルな一面を見せてくれた。

 『A.Y.M』を歌い切ると「また間違えていましたよね……。19歳最初がこんなんで悔しいけど、またリベンジさせてください!」と、照れ笑いをしながらステージを去った。


 それでも、A.Y.Mコールは鳴り止まない。しばらくして、モノトーンの衣装に身を包んだ彼女が現れる。「アンコール1曲目、新曲だけどもりあがってくれますか?」と、この日のためにnishi-kenが作曲したというポップな新曲を初披露。イントロ部分から大歓声が上がった。

 「終わってしまうのが寂しいです。ここに立てているのが、本当に夢みたい。渋谷公会堂に連れて来てくれて、ありがとうございます。ここに来られたなら、もっと夢が出てきちゃいます。私が憧れている人たちが立った、日本武道館に立ちたいです!」と高らかに宣言。「私もそこの目標に向かって、どんな努力でも出来る19歳になります。明日に向かって頑張っていけるような、そんな曲です」と『明日の風』で締めくくった。「これからも、皆さんの未来を彩れる、そんな人でありたいです。本当にありがとうございました」と笑顔だった。

 客電がついても、まだ観客は余韻に浸っている。しばらくして「みなさん、まだ帰らないの?」と笑いながら、ダブルアンコールで『彩りの夏』をサービス。これはセットリストにも組み込まれていない、彼女からのサプライズだった。ホール公演でありながら、アリーナクラスの演出を味方につけ、2時間超のステージを迫力の歌で完走し我々を魅了してくれた。6月9・10日には東京・渋谷CLUB QUATTROにてライブイベント「A.Y.M. ROCKS」を開催する。曲によって女優のようにくるくると色んな顔を演じ分けてしまう彼女から、目が離せない。


(photo/笹森健一)

セットリスト
01.Are You Ready 2015
02.Doki Doki
03.Seventeen
MC
04.女神のサジェスチョン
05.ミラクリエイション
06.宙
07.Daydreamin’
MC
08.風のしっぽ
09.とうめいしょうじょ
10.永遠と瞬間
MC
11.RUN RUN RUN
12.パラレルワールド
13.A.Y.M
14.交信曲第1番変ロ長調
15.OWARI WA HAJIMARI
<アンコール>
16.A.Y.M
17.新曲
18.未来へのSign
MC
19.明日の風
<ダブルアンコール>
20.彩りの夏

 
achico 寝ても覚めてもアイドルポップ!なOL / フリーライター。東京生まれH!P POP育ち。日々、アイドルに踊らされています。

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