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UPDATE|2021/12/02

後藤真希が振り返るモー娘。時代と休業期間「歌から完全に離れたことで見えてきたもの」

撮影/coto


──ただ、それもキャリアを重ねることで徐々に変わっていたはずです。

後藤 そうですね。モーニング娘。を卒業して20代に入ってからは自分のやりたい方向性がだんだん見えてきたんです。「こういう自分になりたい」というイメージがあって、そこに近づけるとうれしい……みたいな。ただやっぱり私1人ですべてを決めていたわけではなかったので、自分のイメージとズレることもあり、その葛藤もあったんです。

──そんなこともあったんですか。

後藤 う~ん、でもまぁ私は好きにやらせてもらっていたほうだと思いますよ。卒業ライブの段取りを詰めていても、スタッフさんから「最後、こういうふうに言ったらいいんじゃない?」とか提案されているのに「いや、そういうふうには言いたくないです」とか生意気に口答えしていましたし。まだ子供だったから物怖じしなかったんでしょうね。スタッフさんも顔面蒼白だったと思います(笑)。

──当時は『ASAYAN』(テレビ東京系)の密着もありましたし、つんく♂さんの独特なプロデュース手腕も注目されていました。

後藤 つんく♂さんに言われたことで覚えているのは、歌よりもダンスのことなんです。私ってもともと相当な内股なんですけど、「それが逆にカッコよく見えるから直すな」って言われまして。やっぱり特別な感覚を持っている方なのは間違いないと思います。それでもソロ活動は中盤からライブをつんく♂さんプロデュースではなく、自分たちで組み立てていくようになっていきまして。シングルは引き続きつんく♂さんプロデュースでしたけど、ライブは自分の思い通りにやれるということで、精神的なバランスも取っていた部分はありますね。そこからエイベックスに移籍することになるんですけど、ちょっとこのへんでやりたいことのイメージが周囲とズレ始めたんですよ。

──後藤さんのソロ活動は基本的にクールなR&B路線でしたし、それがエイベックスでもっとはっきり打ち出されるのかと考えていました。

後藤 そういう単純な話でもなかったんです。リリースはすべてシングルじゃなくてEPだったし、ソロ公演がなかなかできなかったり、作りたかったファンクラブも作れなかったですし……。自分の描いていたイメージと違い、モヤモヤした思いを抱えていたんです。それで一度すべてをリセットさせようと考え、休業に踏み切ったんです。休業期間中は完全に歌から離れていたし、普段は音楽を聴かないくらいでした。ただこの休業は歌手としてもプラスだった面は大きくて、若い頃から身についていた「歌い癖」みたいなものが取れたんですよ。もっと丁寧に歌おうと考えるようになりましたし。

▽後藤真希
本人が「肩の力を抜いて、沢山笑って、とても楽しい撮影でした」と振り返る10年ぶりの写真集『ramus』(講談社)は11月29日(月)発売。11月28日(日)には大阪・Billbord Live OSAKAにて、12月5日(日)には神奈川・Billbord Live YOKOHAMAにて10年ぶりのソロライブも開催予定だ。5日(日)の公演はdtvにて生配信も決定している。

【後編はこちら】後藤真希に聞く「もしも子供がアイドルになりたいと言ったら?」
AUTHOR

小野田 衛


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