――ちょっと上谷選手の映像を見てください。彼女にしかできないフェニックススプラッシュという大技です。松岡 えっ、えっ、えっ、どわーっ! なんでこんなことができるの? あのヒモの上に立つだけだって難しいよね?
上谷 ヒモ? あぁ、ロープのことね(笑)。
松岡 いくら練習しても、本番では力も入るし、緊張もするでしょ? それにあのヒモってクルクル回るよね?もう頭が追いつかない(苦笑)。
上谷 ぜひ一度、プロレスを観にきてほしい! そうしたら痛い、怖いってイメージも変わると思うし、プロレスの魅力を知ってもらいたい!
松岡 うん、見たい! なんか、すごくハマっちゃいそう!
――上谷選手がチャンピオンになって、福岡で試合をすることがあったら最高ですよね。上谷 今日、ここにチャンピオンベルトを持ってくることができなかったことだけが本当に残念ですね。今度、会うときにはシングルのベルトを巻いていたい!
松岡 やっぱりチャンピオンになるのってすごいことなんだね。
――HKT48に例えればセンターになるのと一緒です。みんながその座を狙っているし、チャンスもそんなに回ってこないじゃないですか? 新曲がリリースされるのって年に1、2回しかないので。それと同じで一度、チャンスを逃してしまうとなかなか次に挑戦するタイミングが回ってこないんですよ。上谷 そういう意味では、本当にアイドルとプロレスって似ているなって。今回、こうやってお仕事ではなちゃんに会うっていう夢が叶ったので、次はベルトを巻いて会うのを目標にするね。私もHKT48劇場ではなちゃんを見てみたい!
松岡 うん! お互いにがんばろうね!
この対談の数日後、早くも上谷沙弥にタイトル挑戦のチャンスが巡ってきた。11月27日に国立代々木競技場第2体育館で開催されるスターダムのビッグマッチで「次期ワンダー・オブ・スターダム王座挑戦者決定戦」に出場することが正式に発表されたのだ。この試合に勝てば、おそらく年内にタイトルマッチが組まれるだろう。しかも現在、ワンダー・オブ・スターダムのベルトを巻いているのは上谷が師と仰ぐ中野たむ。この日、中野たむは防衛戦を控えているので、その結果待ちではあるが、今年最後にして最高のチャンスである。
その日、松岡はなは『西日本シティ銀行 HKT48劇場』にて開催されるHKT48の10周年記念特別公演のステージに立っている。同じ日、同じ時間にそれぞれのフィールドでビッグイベントに登場する……6年9カ月ぶりに交差した2つの人生、2人の運命はこれから先もまだまだ続いていきそうだ。もっと大きな夢が、きっと待っている。
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