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UPDATE|2021/10/15

ハライチ岩井が語る“炎上”ネットニュース「素人みたいなライターに怒らされてる方が恥ずかしい」

岩井勇気 撮影/西邑泰和



──ちなみに、著書『どうやら僕の日常生活はまちがっている』のプロモーション取材は「仕事」ということですが、エッセイを書くということに関しては?

岩井 嫌いじゃない、って感じですかね。連載を始めたそもそものきっかけも、単純に文章が上手くなりたいって、ただそれだけ。俺みたいなタイプがあんまり文章上手くないと、なんかキモいじゃないですか。「こいつ、この感じで拙いんかい!」みたいなね(笑)。

それと、ネットとかだとプロでもないようなやつが書いた記事もいっぱいあるじゃないですか。書いてくれってこっちから頼んでもないやつにヘンなふうに書かれたり、間違ったニュアンスで伝えられたり、こっちの思いとは違う形で世に出される。そういうストレスに比べたら、自分で書く労力のほうがだいぶマシかな、と。なんらかの声明が必要なときは、自己責任で自分で文章にして出したい。自分で書くのには、そういう理由もありますね。

──そう聞くと、こちらもプレッシャーを感じずにはいられないわけですが(苦笑)。

岩井 こうして取材を受けた以上は、どうやって書いてもらってもいいんです。見る側、読む側の受け取り方はまったくの自由。 なんで、俺の活動をどう受け取って、どう楽しんでもらってもそれは構わないと思ってます。ただ、巷には「おまえの解釈で広めんなよ」って思っちゃうことも多々あるってだけなので。

──発言の一部を切りとられて炎上、なんてこともよく起こりがちですしね。

岩井 見ていて滑稽ですけどね。憤慨してる人、怒ってる人を見ると、素人みたいなライターに怒らされて恥ずかしくないのかなって思っちゃいます。「あなた、怒らされてますよ? そのへんのヘンなやつに」って(笑)。

世の中を良くしようとか、世界を幸せにしようみたいな、そんなことのために俺はお笑いをやってないし、自分の知らない人が不幸になろうが正直知ったこっちゃないんですけど、ああいうのを見てると「大丈夫?」ってちょっと心配にはなりますよ。「おまえ怒らせんのって、そんな簡単なの?」ってね。

【前編はこちら】ハライチ岩井が語るコロナ禍の芸人「YouTubeをバカにしてたやつほど、今熱心にやってる」

(取材・文/鈴木長月)

▽岩井勇気
1986年、埼玉県生まれ。幼稚園からの幼なじみだった澤部佑と、お笑いコンビ『ハライチ』を結成、2006年にデビュー。09年の第9回 M-1グランプリで決勝進出を果たし、一躍人気者となる。近年は『ゴッドタン』(テレビ東京)の“腐り芸人セラピー”や“マジ歌選手権”でみせる毒舌ぶりで脚光をあび、エッセイの執筆の他、ゲームの原作、プロデュースや漫画原作など、サブカル分野でも精力的に活躍中。

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