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UPDATE|2021/10/09

四千頭身・後藤「お笑いの道へ入ったのは流されて、当時好きだったのはあばれる君でした」

撮影/西邑泰和

お笑いトリオ・四千頭身の後藤拓実の初エッセイ集『これこそが後藤』(講談社)が話題だ。自身の生い立ちや家族、そしてお笑いについて綴ったこのエッセイ、独特な着眼点と意外な展開、そして絶妙なスピード感は文章でも顕在で、ネタを見ているかのように思わず笑わせられる。後藤にエッセイでも話題にしている学生時代の話や友達の話、相方やネタ作りについて聞いた。(前中後編の後編)

【写真】どこかぎこちない? 笑顔でインタビューに答える後藤拓実

――芸人になった経緯もお聞きしたいんですが、どうして「ワタナベコメディスクール」に通おうと思ったんですか?

後藤 お笑いはずっと好きでしたが、きっかけは自分からではなく、中学時代のお友達が勝手に願書を送ったからなんです。僕は高校を卒業したらバイトしようと思っていたんですよ。それをお友達に伝えたら、「養成所に応募しといたから」って。

――それに素直に従って入学したんですか?

後藤 そうです。ただ入学するにはオーディションがあって、お友達にいじられての応募だったので、そこで行かないのもかっこ悪いなと思ったんです。かと言ってテンションを上げるでもなく、今のままのテンションでオーディションに行ったら、みんなから「いいね」ってベタ褒めされて、それを真に受けちゃったんですよね。今考えると養成所に入れたいから褒めるに決まっているんですよ。それに気付いていれば、お笑いを始めることもなかったかもしれません。

――どうして友達はワタナベコメディスクールに応募したんですか?

後藤 友達に「好きな芸人って誰?」と聞かれるたびに、「あばれる君」って答えていたからワタナベだったんです。そこで「パンサー」って答えてたら吉本だったと思います。

――家族は後藤さんがお笑いの道に進むことに反対はしなかったんですか?

後藤 ビックリはしてましたけど反対はされなかったです。昔からお笑い番組が好きで、よく観ていましたからね。それで「あばれる君がいる事務所と一緒の養成所なんだけど」って言って。

――半ばお笑いの世界は流されて入ったようなものですが、高校時代に将来の夢はなかったんですか?

後藤 高校時代は学校に友達が1人もいなくて、人生終わったなと思ってたんで夢もなかったです。進路を決める上で高校って大事じゃないですか。でも僕の通っていた高校は偏差値の低いヤンキー校だったので、指定校推薦の大学も知れているんですよ。実は僕、指定校推薦の枠をもらっていたんですけど、養成所に行くっていうことで、その枠をスルーさせていただきました。そこは悪いことをしたなって反省しています。
AUTHOR

猪口 貴裕


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