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UPDATE|2021/09/17

『全裸監督』作家・本橋信宏がテリー伊藤の出禁伝説を本にした理由、「地上波をなめるなよ」

『出禁の男 テリー伊藤伝』本橋信宏 (イースト・プレス)

日本のテレビ業界、バラエティ番組に革命を起こした男、テリー伊藤の半生が一冊の本になった。その名も『出禁の男 テリー伊藤伝』(イースト・プレス)。著者は、NETFLIXでドラマ化された『全裸監督 村西とおる伝』の著者、ノンフィクション作家の本橋信宏だ。コンプライアンスに厳しい現代ではおよそ実現不可能であろう、テレビの世界を劇的に変えていった“天才”テリー伊藤の伝説をなぜ今書き起こしたのか? 本橋信宏氏に話を聞いた。(前後編の後編)

【前編はこちら】『全裸監督』作家・本橋信宏の新作は『テリー伊藤伝』「本を出しましょうと言ったらあっさり“いいよ”」

【写真】テリー伊藤×本橋信宏ツーショット

――本橋さんは大学時代からテリー伊藤さんと交流があったそうですが、大学卒業後にテリー伊藤さんが「無名ディレクター」として勤めていたIVSテレビ制作に入り、たった3か月で辞めてしまった後は、しばらく疎遠になったそうですね。その間もテリーさんの活躍は気になっていましたか?

本橋 そうですね。バラエティのエンドロールで「伊藤輝夫」という名前を見ることが増えていって、中でも目を惹いたのが『天才・たけしの元気が出るテレビ!!』です。あの伊藤さんが総合演出という立場で、日曜の夜8時のゴールデンでビートたけしと一緒に番組を作っていると知って、我がことのように嬉しかったです。それほどバラエティは観てなかったんですけど、伊藤さんの出世番組でしたし、すごいなと思って毎週観ていました。

『三大学芸能合戦』も大学生に馬鹿をやらせて、審査委員長のジャイアント馬場が点数をつける対決でしたけど、いわゆる素人から発掘する手法は『元気が出るテレビ!!』にも脈々と受け継がれていたんですよね、デビュー作には、その新人の全てが凝縮されると言いますけど、当たっているかもしれないですね。

――本橋さんは24歳で物書きとなり、IVSテレビ制作を辞めた7年後にテリーさんを取材することになって再会を果たします。しばらくぶりに会って変化は感じましたか?

本橋 変わってなかったですよ。後足で砂をかけるように辞めたのに、取材に行ったら歓待してくれて。私の著書『「全学連」研究 革命闘争史と今後の挑戦』(青年書館)を差し上げたら、すごく喜んでくれました。「みんな友達だもん」って言うから、ずいぶん丸くなったなと思いましたけどね。

AUTHOR

猪口 貴裕


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