──温泉宿の湿った空気感、暗がりでのショットの艶っぽさは、確かに週刊誌のグラビア感がよく出ています。
JILL あと、今年春に出た『Mellow Yellow』は「オシャレなグラビアアイドルさんの作品」というコスプレなんです。例えば海にある岩場でのショットは、「よくグラビアアイドルさんって、岩場にいるんだよな～……」と気づいてから、「じゃあやってみよう！」と思ってやってみて（笑）。私の作品は、シチュエーションやテーマはその都度変わりますが、基本どれも“グラビア”のコスプレなんですよね。私が読者だったら、可愛らしくご飯を食べているショットや、現場の楽しさが伝わるようなショットが欲しいし、温泉に入ると“なぜか”ピタピタになる謎の薄いキャミソールも着たい。私が思い描く「雑誌のグラビア」を、私なりのフィルターを通して再現してみたという感じなんです。
──衣装だけでなくロケ地のチョイス、作品の世界観も含めてJILLさんの“コスチュームプレイ”としてパッケージされているってすごいですね。
JILL とはいえ、どれも自分の脳内で作った「想像のグラビア世界」ばかりなので、本物のグラビアをもっと体験してみたいという強い夢があります（笑）。
──今年より始まったJILLさんがプロデュースされている「Prendre」撮影会は、どういった経緯で始まったのですか？
JILL 「Prendre」はカメラマンの福島裕二さんを始め元々プロデュースをしていたごはんちゃん（飯田みなみ）と一緒に開催しております。これまで様々な撮影会を見てきて思ったのが、最近の撮影会は過度の露出があったりと、ちょっと女の子を撮ることが“消費的”な方向に向かっている気がしまして。私も福島さんも、一緒に企画しているごはんちゃん（飯田みなみ）、cotoちゃん、全員が「写真」そのものがメチャクチャ好きなんです。セクシーな撮影会ももちろん楽しいんですよ。けどこの仕事は、長く続けられるものではなくて。だからこそ、モデルの女の子も、カメラマンさんも、今の瞬間をキレイに作品として大事に撮ってほしいという想いを込めて、「Prendre」を再始動して頂きました。
