――摂食障害以前に、神経症の症状が出ていたとも書いてありました。中元 当時、誰かといると、調子が悪くなったんです。腹痛、悪寒、冷や汗……。とにかく調子が悪くなるんです。そんな状態が続いて、最終的には仕事に行けなくなってしまいました。あれは舞台「じょしらく」(2015年6月)のときでした。稽古に行けなくなったこともありましたし、楽屋で大暴れしたこともありました。物を投げたりして(笑)。
そんな状態になってしまった自分にイライラしていたんです。メンバーは空気を読んで、すっと楽屋からいなくなってくれました。そんななか、さゆりんご(松村沙友里)が「大丈夫?」って駆け寄ってくれて、(齋藤)飛鳥ちゃんが「チョコいる?」って言葉をかけてくれたりして。そこで初めてメンバーに自分の状態を打ち明けました。
「だから、舞台も最後までできる自信がないんだ」って。そうしたら、同じチームだった(能條)愛未ちゃんが、「自分のセリフだけ覚えてくれたら、あとはウチらでなんとかするから!」って言ってくれて。なんていいチームなんだって思いました。
こんなことがあったら、乃木坂46のことを嫌いにならないですよね。当時はたしかにつらい思いをしましたが、私が卒業という選択肢に走らなかったのは、乃木坂46のメンバーが好きだったし、活動が楽しかったからです。ライブもラジオも握手会も好きでした。「体調さえ良くなってくれたら、現場に行くのが怖いなんて思わないのに」と思っていました。
(後編へつづく)
【後編はこちら】元乃木坂46中元日芽香が語る、自叙伝を出版した意義「メンタルヘルスに興味を持っていただければ…」▽『ありがとう、わたし 乃木坂46を卒業して、心理カウンセラーになるまで』
中元日芽香
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