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UPDATE|2021/05/27

デスマッチのカリスマ・葛西純が語る、血まみれ激痛でもリングに上がる理由「生きてる実感を得られる」

葛西純 撮影/西邑泰和



――葛西選手でもいまだに緊張する?

葛西 やっぱり緊張しますし、怖いですよ。次の試合で大けがしたらどうしようとか、まかりまちがえて変な落ち方をして死んじゃったらどうしようとか……。色々考えます。そういう恐怖に打ち勝ってリングに上がり、死んでしまうかもしれない状況の中で、血みどろになりながら戦って。勝つにしても負けるにしても、試合が終わり自分の足でリングを降りて控室に戻り、自分の運転する車で家に帰っている。

そこで初めて「生きて帰ってきた! 神様ありがとう」って思えるんです。試合中、リング上にいる時は、痛いですしきついですよ。でも試合が終わると生きてる実感を得られるんですよ

――常に痛い部分ってありますか?

葛西 両ひざはじん帯が切れてますし、半月板もないですし。首も腰もヘルニアですし。コンディションはいつも万全じゃないです。

――これまで試合中の大きなけがって、どれぐらいありました?。

葛西 数えきれないですね。でも、特に思い出深いのは、3年前の夏にビオレント・ジャックというメキシコ出身の選手との試合ですね。彼がコロナビールの瓶を持っていて、「やばい、頭かち割られる!」と思ったので、奪い取って、逆に彼の頭を瓶で殴ったんです。その瞬間、中指にすごい痛みが走って、「指飛んだ!?」と思ったんですが、見たら指は取れてなかったんで、そのまま試合したんですよ。

翌日の試合もあるので、帰ろうとしたら、レフリーに普通じゃないから病院行った方がいいと止められて。そしたら、神経も腱も切れていると。皮一枚で指が繋がってるだけの状態だったので、即入院で手術になりました。

――リングの上だと気づかなかったんですね?


葛西 アドレナリンが出てるので、普段の生活より痛みが感じにくいんです。


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