陰湿ないじめとは言わないまでも、声に対する嘲笑は絶えることがなかった。だが、それを真に受けて、マイナスのイメージを引きずっていたら自分の身が持たない。そこで中学生のクロちゃんは「この声なら、いつまでも大好きなアニメの曲が歌えるな。ラッキー!」と発想を逆転させたのだという。
「今は『水曜日のダウンタウン』(TBS系)に出るたびに嘘つき呼ばわりされて炎上していますけど、僕の場合、芸能界に入ってから急に注目されたわけじゃないですからね。生まれたときから注目されていたというか、『何、あいつ?』って冷やかされていた。そのへんは筋金入りなんです。だから人生そのものが逆転の発想というか、物事の見方を転換させる癖が骨の髄まで染みこんでいるんですよ。この視点が今の作詞に活かされているのは間違いない」
声のコンプレックスとバレーボールでの挫折から始まったクロちゃんの作詞道。芸人としてキャリアを積みながら、同時にアイドルを熱心に研究することで、独自の言語感覚に磨きをかけていくこととなる。
【中編】ヒャダイン、川谷絵音もその才能を称賛、作詞家・クロちゃんの天才性 「パンティーライン」に込められた真の意味はこちらから