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UPDATE|2021/04/14

ヒャダインや川谷絵音も才能を絶賛、“作詞家・クロちゃん”が中学時代に初めて書いたポエム『鬼』とは

作詞ノートを手にインタビューにこたえるクロちゃん(本人提供写真)


鬼って優しいんだよ
鬼って本当に優しい生き物なんだよ
人に蔑まれ嫌なことされても グッと我慢する
本当は優しい生き物なんだよ
僕はそんな鬼になりたいと そっとうつむく

「『桃太郎』に代表されるように、日本の物語だと鬼って悪い生き物とされているじゃないですか。でも鬼の立場になって考えてみたら、どうでしょう? 自分たちは悪いことなんてしていないのに、たまたま漂流した場所に人間がいて、その人たちに怖がられているだけなのかもしれない。そういうことが頭に浮かんできたんです」

 鬼は怖い存在ではない。心優しい面にも目を向けるべきだ。なんだったら、鬼になりたいと願う自分もいる──。このコペルニクス的転回は、現在に至るまでクロちゃんの考え方の基本形となっている。そこには自身を“鬼”に見立てなくてはいけない悲しい事情もあった。

「生まれ持ったこの甲高い声のおかげで、いろんな人から好奇の目で見られてきたんですね。でも、当時は僕だって多感な年頃じゃないですか。自分がダメージを喰らわないようにするため、無意識のうちに物事の見方を逆転させ、発想を変える癖がついていたと思うんです。『鬼=悪者』と決めつけるのではなく、『鬼だっていいところがあるんじゃないの?』って」

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