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UPDATE|2021/03/25

「THE W」優勝・吉住がネタ作りを語る「“誰も傷つけない笑い”やりづらいと思うことも…」

吉住 撮影/武田敏将



──ただ今は「誰も傷つけない笑い」というのが称賛される時代で、毒だったり狂気みたいなものを盛り込むのは難しくありませんか? それに、女性芸人が必要以上に容姿をけなされたり、体を張ったりすることも良しとはされません。お笑いに、いろんな制約が乗っかかる状況というか。

吉住 私自身ちょっと卑屈なタイプなんで、自分を卑下した方が笑いが取れる流れになるなと思ってもそうできないこともあったりして、やりづらいと思うことも無いとは言えないです。女性芸人が体を張るお笑いを見たい人もいるだろうし、1つの形として残るのは悪くないと思うんですよ。

他にも今回、『THE W』でやった「女審判」(※野球の審判を職業にする女性の恋愛話)なんかも、「女」をつけることによって、それ自体に違和感を覚える方もいたらしくて。でも、私は単語の響きと言うか、笑いが多く取れる方を優先したいなと思います。

「アイプチ」っていう、火事の翌日に二重にしてきたことを突っ込む……というネタがあるんですけど、「私はアイプチでコンプレックスを解消しているのに、アイプチをいじられて傷つきました」みたいなことを言う人もいるんですよね。

──ネタの本質はそこじゃないのに、伝わらないこともありますよね。

吉住 結局、自分が大切にする基準をどこに置くか重要で、それで受け入れてもらえない人が出てくるかもしれないんだけど、そこはブレずにやりたいです。私が自分が作る笑いで、できるだけ人を傷つけないようにと思ってやってるのは、コントで私自身が変だったりヤバい人を演じるようにしてることですかね。

意外とみなさん、登場人物を自分のことにあてはめてコントを見てるっていうことが最近分かってきて。

──「アイプチ」の例はまさにそうですよね。コントの中の話なのに。

吉住 だったら、コントの設定で変わった人を出して「あなたをイジってるんじゃなくて、ただこの人が変なんですよ」と分かってもらおうかな、って。最近はそういうネタが増えてきたかもしれないですね。

吉住(よしずみ)
1989年11月12日生まれ。福岡県北九州市出身。『女芸人No.1決定戦THE W』2020優勝。ドラマチックなで独特な1人コントが持ち味。映画『私をくいとめて』に本人役で登場している。
Twitter:@YOSHIZUMI_2015

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